◆ドイツ、ソーラーエネルギーの町『環境首都フライブルク』
フライブルクはドイツ南西部のバーデン・ヴュルテンベルク州に位置し、黒い森(シュヴァルツヴァルト)の入り口にあたります。温暖な気候と美しい自然でドイツ国内でも観光都市・保養地として非常に人気の高い町です。また人口約20万人のうち3万人が学生という大学の町でもあります。
フライブルクは日本でも「環境首都」として知られています。これは、ドイツのNGOドイツ環境支援協会(Deutsche Umwelthilfe e.V.)が行なった環境首都コンテストでフライブルクが1992年に最高点を得て「環境首都」の称号を得たことに始まります。このことが日本でも多方面で紹介され、今では環境首都フライブルクという呼び名がよく聞かれるようになりました。環境首都として認定されるためには、上記NGOが主催するコンテストで、交通、農林業、河川、廃棄物など、各分野について設定された質問に答えて偏りなく高得点を得なくてはなりません。1992年度には、ドイツ全土で 200以上の自治体がコンテストに参加しています。このコンテストはドイツ環境基金(Deutsche Bundesstiftung Umwelt e.V.)の補助を受けて2001年まで行なわれました。
エネルギー
1970年代に近郊の町ヴィールで起こった原発建設計画に対する大きな反対運動を経験したフライブルクは、その後1986年に市議会で原子力発電からの脱却を決議し、再生可能エネルギーを促進しつつ省エネを進めるという道を選びました。さらに1992年以後は市有地に建設する建物に低エネルギーハウスの基準を満たすことを義務付けました。1999年には市が主体となってエネルギーエージェント・レギオ・フライブルク社(Energieagentur Regio Freiburg GmbH)を設立し、建設・改築を通した省エネ等について相談を受け付けるようになりました。
電気、ガス、水道など生活のインフラを市民に供給するフライブルク市エネルギー公社(Freiburgische Elektrizitätswerke: FEW)は、長年様々な環境対策をとってきました。省エネランプの普及、ソーラー発電の補助、ごみ埋め立て場から出るメタンガスを利用したドイツ最大級のコージェネレーション発電所の建設、水源地の保全などです。エネルギー市場の民営化の流れを受けて公社が近隣の5社と合併し、2001年8月にバーデノーヴァ社(badenova AG und Co.KG)が設立されてからも、環境に配慮したエネルギーを供給するという方針は変わっていません。
フライブルクとその近郊の南バーデン地方に住む人々は、日々の生活に使う電気の発電源を選び、再生可能エネルギーを支えています。水力、バイオマス、ソーラーのみで発電された電力を選んで購入できます。料金は原子力・火力発電の電気料金よりも高めですが、余剰分は再生可能エネルギーでの発電費用に充てられることもあり、1999年6月現在で約1万世帯が再生可能エネルギーを選択しました。サッカースタジアム(ドライザムスタジアム)の屋根を使って発電所をつくり、パネル1枚ごとに株主を募る試みは大きな反響を呼びましたが、ここで発電された電力もこの料金システムで購入することができます。2003年秋からは 6基の市民風車(市民が出資して設置・運営する風力発電機)も稼動を始め、6,000世帯分の電力に相当する1,600-1,700万KWhを発電しています。市民の出資は3,000ユーロ(約40万円)から募っています。約6.5%の利回りが見込まれており、2003年末までに420万ユーロ(約5億 4600万円)が集まりました。
フライブルクでは特にソーラー技術の研究・実践が盛んです。世界的に有名なフラウンホーファー・ソーラーエネルギーシステム研究所、キーペンハウアー太陽物理学研究所、太陽エネルギーの国際的組織である国際ソーラーエネルギー学会(ISES)の本部などがあり、太陽エネルギーについての技術が集積しています。この他にもエコ研究所、国際環境自治体協議会(ICLEI)の欧州事務局が置かれるなど、フライブルクは学術的な面でも高い存在価値を誇る町です。
(大阪・神戸ドイツ連邦共和国総領事館・記事より)
*フライブルクでは環境に関したプログラムを組んで視察を受け入れています。
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