◆ルーマニア、吸血鬼ドラキュラの舞台『ブラン城』が変身!?
小説の舞台、現代風に改装
(10月15日付朝日新聞記事より)
吸血鬼ドラキュラが故郷で居場所を失いつつある。「ドラキュラ城」で知られるルーマニア・トランシルバニア地方のブラン城が、現代風テーマパークに生まれ変わろうとしているからだ。もともとドラキュラはルーマニア国内ではなじみが薄いが、ドラキュラ観光で潤ってきた地元には戸惑いも広がる・・・・
城は長年、郷土の文化や歴史を今に伝える「博物館」として地方政府が運営してきたが、今年5月に管理権が王族の子孫であるドミニク・フォン・ハプスブルク氏に移り、大幅な改装が始まった。
特にこだわったのが「脱ドラキュラ」。まず、城内に小説の著者でアイルランド人作家のブラム・ストーカーの小部屋を新設。小説の内容がいかに歴史的事実とかけ離れているかをパネル展示などで理解してもらうのがねらいだ。
城内ガイドのマテイン・シミヨンさん(33)は、「訪れる人の8割近くがドラキュラ伯爵とブラン城の関係に期待している。その誤りを正すのも大事な仕事」と話す。
ドラキュラ離れは「私の親類に夜空を飛びまわる怪物はいない」というハプスブルク氏の強い意向。ただ、米ニューヨーク在住の同氏は3回しか城を訪れたことがなく、実際の運営は地元の弁護士やイベント会社にまかされている。
若者や家族連れを意識し、城内に展示されていた王族ゆかりの古びた家具をイタリア製の高級家具に換え、庭園茶室も現代風のカフェに改装した。城内へ通じる隠しトンネルをめぐるツアーや城内結婚式も計画中だ。
運営を取り仕切るイリヤ・トランダフィル弁護士は「ドラキュラがいなくても大丈夫。大人も子どもも楽しめるアミューズメントパークをめざす」と意気込む。
Photo: (c)Kioshque
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