◆パリ近郊、ヴォー・ル・ヴィコント城で行われる『サロン・デュ・ショコラ』
=2009年11月7日(土)、8日(日)開催=
毎年10月末~11月頭にはチョコレート好きにはたまらないチョコレートの祭典「サロン・デュ・ショコラ」が開かれますが、パリのそれとは別に、ヴォー・ル・ヴィコント城でも素敵なサロン・デュ・ショコラが開かれていることをご存知ですか?
パリ南西約50kmのムランにあるヴォー・ル・ヴィコント城は、17世紀にルイ14世の財政長官だったニコラ・フーケによって建てられた城です。フーケは大金を投じて、当時最高の芸術家であった、建築家ル・ヴォー、造園家ル・ノートル、室内装飾画家シャルル・ル・ブランを城の建設に従事させ、その後の宮殿建築に大きな影響を与えるような壮大な城を完成させました。
◆ヴォー・ル・ヴィコント城と食文化の密接な関わり
お城の中に、今日でいうダイニングルームが作られたのは、ヴォー・ル・ヴィコント城が初めてでした。それまでは王族や貴族は、邸宅の中の好きな部屋にテーブルなどを配置して食事をとっていたのです。
1661年8月17日、フーケは、ヴォー・ル・ヴィコント城落成式のため、王侯貴族を招いて絢爛たる祝宴を催します。このときに祝宴の総指揮をとったのが当時の天才宮廷料理人、ヴァテール。今日フランス料理のデザートと切っても切れない美しいホイップクリーム「クレーム・シャンティ」をこの世に生み出したのもヴァテールです。
あまりに豪華な祝宴は、時の王ルイ14世の不興を買い、数週間後フーケは公金横領罪で生涯投獄されます。フランス史上に残る最も華麗なパーティーから投獄までのわずか3週間しか、フーケは城の美しさを満喫できなかったのです。投獄以後、フーケがヴォー・ル・ヴィコント城に戻ることは2度となく、1680年に65歳の生涯を獄中で閉じた後、フランス革命の直前になって城館は国家に完全に寄贈されました。
その後、19世紀後半になって砂糖の精製業で財を築いたアルフレッド・ソミエによって城は買い上げられ、現在は子孫であるヴォグエ家が城館の所有者となっています。ヴォー・ル・ヴィコント城とスイーツの関係はすでに200年以上の時を経ており、その歴史を広める目的もあって2008年より「美しい城館でチョコレートを愛でる」というなんとも素敵なイベントが開催されているのです。
みどころ
・さまざまなチョコレートメーカーやチョコレート職人が出展 (高級チョコレートメーカー、ヴァローナ Valrhona の他、フランス屈指の菓子職人フレデリック・カッセルCassel、赤い花のマークが目印のデ・リス・ショコラ Des Lis Chocolat、ジャック・ベランジェ Bellanger など)
・入口をはいってすぐのホール、大広間ではチョコレートで作られたブーケや胸像、ドレスなどのオブジェを展示。
・チョコレートつくりのアトリエ開催、一般の人も参加可能。
・「食事の間」ではカカオ豆からチョコレートが誕生するまでの歴史を説明した展示。
・ヴァローナ社のチョコレート・バー。カカオの含有量の高いもの、ミルク成分の多いもの・・など自分の好きなバランスでオリジナルチョコレートを作ってもらえます。
・休憩のできるサロン・ド・テを設置。城館内にあるレストラン「レクルイユ」ではチョコレートを使った特別メニューを提供。
・ヴォグエ家のクリスティーナ伯爵夫人によって書かれたデザートのレシピ本を掲載した書籍の販売。
■開催日:2009年11月7日(土)、8日(日)
■開催地:ヴォー・ル・ヴィコント城
■入場料:大人12.5ユーロ、12歳以下の子供9.5ユーロ、6歳以下無料
■お問い合わせ: 01 64 14 41 90
情報提供:フランス観光開発機構 Photo: (c)La-Seine-et-Marne.com
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