◆英国・スコットランド、注目の波力発電『PWP社・ペラミス(Pelamis)』
= 巨大機械仕掛けの“海ヘビ”で、クリーン発電! =
スコットランド、エジンバラに本社を置くペラミス・ウェーブ・パワー社(Pelamis Wave Power Ltd.)は、2004年に英北部で最初の試作機を稼働、2008年9月にポルトガル北部Agucadoura沿岸から約5km沖合で世界初の波力発電の商業化を実現。
同発電所では3 基のペラミス波力発電装置(容量750kW/基)を使用しており、総設備容量は2.25MW 。同装置の半分は水面下にあり、複数の円筒を滑節で接続した連接構造で構成されている。このプロジェクトは現在合弁事業となっており、77%をプロジェクトのプロモーター3 社(Babcock & Brown 社、ポルトガル電力公社のEDP: Energias de Portugal、及び電力会社のEfacec 社)が、残りの23%をPWP 社が所有している。
波力発電は予測可能で安定した発電能力を有し、景観や海洋生物への影響が少なく、クリーンな再生可能エネルギーとして期待される。
英国は新しい海洋技術の世界的なリーダーであり、35 以上の研究開発と実証システムがある。欧州の海洋エネルギー技術の開発を支えている大きな要因は、①再生可能エネルギーを支援することにより世界の気候変動の脅威に取り組もうとする政府の積極的な政策、②潮力・波力エネルギー資源の利用可能性の高さ、そして、③クリーン技術の主導的地位を得て経済成長の機会をもたらそうとする意欲である。
研究開発の取組みの多くは、「欧州海洋エネルギーセンター」(EMEC、スコットランドのオークニー諸島にある試験センター)で行われている。その他には、ポルトガルの「潮力エネルギーセンター」(2003 年に設立。企業、研究開発機関、公共団体に技術的・戦略的な支援を提供)や、「欧州海洋エネルギー協会」(海流資源、コスト、技術についての情報を提供)がある。アイルランド(ゴールウェイ)の「海洋機関」(アイルランド持続可能エネルギー機関と連携)は、ゴールウェイ湾に波力エネルギー装置の試作機をスケーリングするための、海洋エネルギー試験場を保有している。また同機関は、アイルランドのベルムレット沖合にも、大型の試作機をテストするための試験場の建設を計画している。
欧州の近年の技術的な進展は、潮力および波力発電技術が商業的レベルにまで成熟してきたことを示している。
(NEDOレポート参考・抜粋)
海洋国日本においては、先月「波力発電検討会」が東京都により発足、更に注目を集めています。新政権のもとで、今後いかに取り組まれるかも注目されるところです。
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