◆スペイン・パンプローナ、夏の到来『サン・フェルミン牛追い祭り』
= 2023年7月6日~14日(6日は開会式) =
スペイン三大祭りのひとつ
マドリッド北東約400Km、フランスとの国境に近いナバーラ県都パンプローナでは、夏の到来と共に勇壮な「牛追い祭り」として知られるサン・フェルミン祭が開かれます。 パンプローナの守護聖人サン・フェルミンの日にあたる7月7日から一週間にわたり催されるこの祭りの起源は古く、400年前の記録にも残っており、スペインと闘牛をこよなく愛した文豪へミングウエイの小説 「日はまた昇る」によって全世界に紹介されました。
7月6日正午前、パンプローナ市庁舎前広場は、白い衣装と赤いスカーフの地元市民らを始め、スペイン各地や世界各国からの観光客で埋め尽くされます。正午の鐘と共にロケット花火が打ち上げられ、祭りの開会が宣言されます。午後から夕方にかけては、巨人人形を伴った音楽隊のオープニングパレードが行われ、カスティーヨ広場では盛大な民俗舞踊会が繰り広げられます。夜が深まる頃には、豪華な打ち上げ花火で祭りの開会を祝います。
翌7月7日 この祭りのメインイベントとなる 「牛追い」 が朝8時きっかりにスタートします。期間中連日繰り返されるこの牛追い・闘牛の他、民俗舞踊・音楽コンサート、フェスティバル、パレード等盛りだくさんのイベントが組込まれています。又、最近日本でも取り上げられる、力自慢の丸太切りなどのユニークなスポーツ大会(日本ではバスクスポーツとして知られる) も開催されます。
人口18万人のこの町は、この時ばかりは250万人の賑わいを見せます。
ヘミングウェイの史跡をたどる
当時パリに住んでいたヘミングウェイが初めてパンプローナを訪れたのは、1923年、サン・フェルミン祭が幕を開ける7月6日のことでした。熱狂的な祭りの雰囲気に圧倒されたヘミングウェイは、この祭りをテーマに「日はまた昇る」(スペイン語名「Fiesta」)という名作をこの世に送り出し、文学界で注目を浴びる存在となります。今日でも、この作品の読者の多くがサン・フェルミン祭に興味を持ち、パンプローナを訪れています。サン・フェルミン祭の名を世界に広めたきっかけとなったのは、ヘミングウェイといっても過言ではありません。
祭りの虜になってしまったヘミングウェイは、その後も、まさに8回以上もこの祭りを訪れたといいます。その最後となったのは、彼がノーベル文学賞を受賞した5年後、またアイダホで死を遂げる2年前の1959年のことでした。
ヘミングウェイが好んで足を運んだレストランやホテルには、現在も営業を続けているものも多くあります。残念ながら、ホテル・キンターナ(Hotel Quintana)や、仲間達と集ったカフェ・スイサ(Cafe Suizo)やカサ・マルセリアーノ(Casa Marceliano)はクローズしてしまいましたが、市内中心部のカスティーヨ広場にあるバー・チョコやペルラ・ホテル、イルーニャ・カフェは、時代を経た今でも賑わいを見せています。また、闘牛場近くには、1968年、彼の貢献をたたえ、パンプローナ市が命名した「ヘミングウェイ通り」もあります。パンプローナを訪れた際は、是非ヘミングウェイの足跡をたどってみましょう。
情報提供:スペイン政府観光局
Photo: (c)sanfermin.com
Fiestas de Pamplona San Ferminの公式サイト
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