◆世界遺産、ギリシャ・メテオラ =奇岩の上で暮らす修道僧=
メテオラの修道院は、ビザンチン時代後期およびトルコ時代には、迫害を受けたキリスト教修道僧たちの聖域でした。彼らはこの不毛の人を寄せつけない高さ400mもの岩山に、ビザンチン芸術の中心を築き上げたのです。その歴史は、11世紀に始まります。しかし、既に9世紀頃より隠者たちが岩の割れ目や洞窟に住み着いていました。そして時代とともに修行僧の数が増え、僧院が建てられるようになったのです。
15世紀から16世紀にかけて最盛期には24を数えた修道院も、今日では5つの修道院にしか人が住んでいません。これら修道院と、それを支える奇岩群が織りなす景観はまさに幻想的で、世界中からの観光客を引きつけて止みません。
■メガロ・メテオロン修道院
メテオラの中で一番大きく重要な修道院です。この修道院は多くの寄付により自治権を持ち、たくさんの貴重な美術品を所有しています。現在博物館になっている修道院の食堂や、写本や書籍が所蔵されている図書館などがあります。その昔は梯子を繋いだり、滑車につるした網袋で修道院に登りましたが、現在は、岩面に掘られた115段の階段を登りたどり着くことができます。
■ヴァルラアム修道院
隠遁者ヴァルラアムが建造した隠遁所跡に、1517年にイオアニナの裕福な一族出身の兄弟修道士テオファニスとネクタリオスによって、建てられた修道院です。
付属の諸聖人教会堂のフレスコ画は、聖人伝画家フランコ・カテラノが1548年に描きました。
■アギオス・ニコラオス・アナパフサス修道院
カランバカからメテオラへの道中、一番最初に見える修道院です。1510年より少し前に建造され、1527年には有名なクレタ派の聖人伝画家テオファネスが描いた美しいフレスコ画で飾られていました。
■ルサヌー修道院(尼僧院)
1288年に建てられ1545年に修道院に改修されました。内部には、1560年にクレタ派の画家によって描かれたフレスコ画があります。
■アギア・トリアダ修道院
際立って美しい奇岩上にあり、絵ハガキなどによく使われます。1458~1476年にかけて修道僧ドメティウスによって建造されました。
■アギオス・ステファノス修道院(尼僧院)
この修道院の付属教会には殉教者アギオス・ハラランボスの頭部が安置されています。古い教会の内部には、今なお美しい木彫りや壁画を見ることができます。またここから下に見えるカランバカの街は絶景です。
★注意事項
①アギオス・ステファノス修道院以外は、急な階段を登ります。足に自信のない方はゆっくり登るか、ステッキをお持ちだと便利です。また歩きやすいスニーカーなどの靴をおはき下さい。
②修道院の内部では服装にお気を付け下さい。肌の露出が多いものや、ズボンをはいた女性は入場できないことがあります。ズボンの場合は腰回りをかくす大きなストールを巻くか、スカートを上ばきしてお入り下さい。
③修道院内部のビデオ撮影は禁じられています。ただし写真撮影は礼拝堂と博物館以外可能です。各地から礼拝に集まる信者の迷惑にならぬ様、写真撮影の時は回りの修道僧に一言許可を得て始めましょう。
情報提供:ギリシャ政府観光局
Photo: (c)Wikipedia
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