◆イタリア・シエナ、熱狂的な伝統行事の競馬『パリオ(Palio)』
= 2023年7月2日と8月16日に開催 =
イタリアにある数あるパリオの中で、最も華麗で世界的に有名。1644年より続くこのパリオは毎年2回、シエナに聖母マリアが出現したとされる7月2日のプロヴェンツェーナの聖母の祝日と8月16日の聖母被昇天祭に行われます。市の中心にある扇型のカンポ広場(Piazza del Campo)で行われます。
一番の見所は選ばれた10地区を代表する騎士たちが荒くれ馬を巧みに操り、広場を3周する競馬です。競馬に先立つパレードも壮麗で、15世紀当時の衣装を身に着けた全17地区の人たちが各地区の幡を持った旗手の後に続いて登場し、一大時代絵巻を展開します。さらにズバンディエラトーリと呼ばれる旗振りの妙技が祭りを盛り上げます。
パリオ-それはシエナ人のアニマ(魂)
鳴り続けるカンポ広場の鐘。それにオーバーラップする太鼓の音。立錐の余地もないほど満員の観衆。ときおり鳴り響くファンファーレ。そして時が満ち、爆竹の合図とともに10頭の馬は広場を疾駆し始める・・・
毎年7月2日と8月16日にシエナ・カンポ広場で行なわれる競馬パリオです。 パリオはコントラーダといわれる自治組織対抗。中世から脈々と続くそれは、シエナ市街を17分しています。名前はワシ、毛虫、カタツムリ、フクロウ、竜、キリン、ヤマアラシ、一角獣、雌オオカミ、貝殻、ガチョウ、波、ヒョウ、森、亀、塔、山羊。
それぞれのコントラーダが地区内に本部や教会をもち、コントラダイオーロと呼ばれるプライド高きメンバーは、相互扶助と奉仕の精神で組織を支えています。
毎回パリオは、順番とクジ引きで選ばれた10コントラーダが参加します。
優勝か無か
1週間前、カンポ広場に土が敷かれ始めると、セネーゼといわれるシエナ人たちのエモーションは次第に盛りあがってゆきます。騎手は各コントラーダで手配しますが、馬はこれもまたクジ引き。「自分たちに良い馬が恵まれますように」 コントラダイオーロたちは皆そう祈ります。
パリオは実施的に本番3日前から。プローヴァといわれるリハーサルが開始されるのです。「この馬はいける」「いや、本番を前にパワーをセーブしているだけだ」さまざまな憶測が飛びます。そして前夜、各コントラーダは明日の本番を前に華やかな夕食会を繰り広げます。いっぽうで馬屋の前では大切な馬を守るため、寝ずの番をするメンバーたちの姿があります。
パリオのレースは、"モッサ"といわれるスタートラインに張られた縄が落ちたときがスタート。あっという間の3周。そのたった1分半の間の声援に、シエナ人は愛するコントラーダに対する情熱をすべて注ぎます。
パリオの結果は優勝か無かです。 最初にゴールした馬 ( 騎手が落馬して、馬だけ入っても優勝、というのがルールです )のコントラーダは絹織物の旗=パリオを熱狂のうちに手に入れます。
パリオ。それはけっして祭りでありません。シエナ人がお互いに精神を鼓舞しあい、自分たちの結束を確認する、誇り高き競馬なのです。
情報提供:イタリア政府観光局&シエナ観光局
Photo: (c)wikimedia、firenze.net
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