◆ルーマニア、自然世界遺産 『ドナウデルタ』
Danube Delta
ドナウ河はルーマニアの大自然の一部です。ドイツの山岳帯に源流を持ち、8ヶ国を貫流し、最後にルーマニアで黒海に流れ込みます。この長い旅の終点が河口に広がる雄大なドナウデルタです。
ドナウデルタの主な運河は3つあり、それぞれキリア、スリナ、聖ゲオルゲといいます。これらの運河の間に広がる湿地帯は、世界で唯一の絶景を見せてくれる魅惑のデルタなのです。
自然の中のリラクゼーションや、自然との共生を求める人びとにとって、ドナウデルタはまさしく理想の場所といえるでしょう。生い茂る柳の林、豊かな無数の植物が覆う小さい運河、それらが沼地や湿地を彩り、活気づけます。
ペリカン、ハクチョウ、ウミウ、カモなどの野鳥の群れ、そしてアシ、ハス、つた植物、さらに樹齢数百年の大木などがおりなす光景は、ヨーロッパでは、このドナウデルタでしか見られません。
この「水の帝国」での、現地の人びとの通常の交通手段は小船です。彼らのほとんどが漁師ですが、観光ガイドの仕事もします。彼らの案内で魚釣りや料理ができれば、観光客にとっても、思い出深い、楽しい経験になるでしょう。
ドナウデルタの大部分は1991年、ユネスコの自然世界遺産に指定されました。世界的に有名なラムサール地区をはじめ、自然保護地区は18ヶ所あります。私たちは、絶滅する危機にある種、希少種の動植物を指定保護し、そして自然界のバランスや循環を保全しなければなりません。ロシュカ・ブハヨヴァ保護地区には、ヨーロッパの最大のペリカン群生地であり、サカリンザトアネ地区にはペリカンの希少種が棲息しています。また、レテア林はまるで熱帯雨林のようです。
ドナウデルタには3,400種以上の魚がいます。ヨーロッパの魚類のなんと98%です。産卵期を除き、いつでも魚釣りを楽しむことができます。野鳥は325種もいます。ペリカンをはじめ何種類かの野鳥が、法律によって保護されています。ペリカンが数多くいる地区は、ウズリナ、マリユック、フォルトゥナ湖、マチツァ湖。また動物もたくさんいますが、カワウソ、キツネ、ヤセイネコ、オオカミ、イノシシ、ウサギ、ケナガイタチが生息しています。また砂地には亀や蛇などもいます。植物の種類は1,150種まで及びます。白や黄色の花が咲くスイレン、ヤナギ、アシ、太藺、ポプラ、ハンノキ、などなど。自然記念物指定の林も3つあり、それぞれレテア林、カラオマン林、エレンチュク林が該当します。
情報提供:ルーマニア政府観光局 Photo: (c)Romania Tourism、Wikimedia