◆パリ・セーヌ河岸、モードとデザインの新スポット『ドック・アン・セーヌ』
2010年秋、セーヌ河岸のドック・アン・セーヌが登場します。モード、デザイン、クリエーションの研究および教育機関であるフランスモード研究所(IFM ; Institut France de la Mode)もここに移設され、アート展示・イベントスペース、カフェ、レストラン、セーヌ河を見渡せる遊歩道を備えた総合商業施設で、総面積14400㎡という巨大なモードとデザインの中心都市(シテ・ド・ラ・モード)になります。
各地方自治体は、1980年代から閉鎖された工場跡地を買収し、大規模な文化プロジェクトやイベントの誘致を目的に改修を行っています。ドック・アン・セーヌは、パリ市長ベルトラン・ドラノエが推進するプロジェクト「パリ左岸再開発計画」の一環で、船のドックや工場が建てこんでいた、オーステルリッツ駅近くのセーヌ河岸の倉庫跡を転用したものです。
ドック・アン・セーヌ建設にあたり、建築家ドミニク・ジャコブ(Dominique Jakob)とブレンダン・マックファーレン(Brendan MacFarlane)によってこのプロジェクトが手掛けられました。そのコンセプトは、1907年に建築されたコンクリートむきだしの建屋に焦点をあて、100年以上前の建物に新たな価値を見出そうとするものです。コンクリート建築はそのままに「Plug-Over」と呼ばれる、スチールとガラスでできた複雑な幾何学模様の骨組によって古い建物が覆われました。
この建物に巻きつく緑のチューブのような「Plug-Over」は、セーヌに張り出した遊歩道と辺り全体が見渡せる屋上の大テラスをつなぎ、スムーズな人の流れをつくり出します。すべて木製で植物が植えられているこのテラスは、夜になると発光ダイオードによってライトアップされます。テラスの景観デザインは、ランドスケープアーキテクトのミシェル・デビーニュ(Michel Desvigne)が手掛け、照明はヤン・ケルサレ(Yann Kersalë)の手によるものです。
ファッション界をリードするフランス、パリの現代アート・モードの新しいシンボルとして、斬新な建築として、パリジャン、パリジャンヌからも注目されており、モード関係者にとどまることなく、誰でも楽しめるパリの最新スポットとして期待されています。
情報提供:フランス観光開発機構
Photo: (c)projets-architecte-urbanisme.fr