◆スペイン・グラナダ市郊外にみる太陽熱発電所『アンダソル(Andasol)』
(朝日新聞1月8日付け記事より)
市場生む風と太陽 =脱皮へアイデア終結=
未来風景が広がっていた。スペイン・グラナダ市郊外のアルハンブラ宮殿近く。昨年運転を始めたコブラ社の太陽熱発電所「アンダソル」(出力10万キロワット)だ。
幅約5メートル、総延長200キロに及ぶ曲面鏡が上空をむく。太陽を追尾して角度を変え、反射鏡集めて蒸気を作る。
同じ発電所がモロッコやアルジェリアのサハラ砂漠でも建設されている。欧州の企業連合による「デザーテック計画」だ。2050年までに約4千億ユーロ(約50兆円)を投資し、北アフリカ、南欧、中東に太陽熱発電所をつくり、地中海をまたぐ電力の高速道路で結ぶ。将来は欧州北部の風力地帯とも結ばれ、「スーパー送電網」になる。
中心はドイツのミュンヘン再保険会社。ラオホ企業気候センター長は「北アフリカ、中東の成長を促し、雇用を増やす。経済的な成長は政治安定にも役立つ」。「風と太陽を軸に地域をつくる」という明確なメッセージがある。
夢を支える工夫もある。マドリード郊外にある自然エネルギー制御センター(CECRE)。天気予報で風力や太陽光の発電量を前日から予測し、当日も常時監視して変動する自然エネルギーを使いこなす。・・・
(以下、スペイン大使館経済商務部)
現在最も一般的な技術であり、「アンダソル1 号」にも使用されているのが、パラボリック・トラフ式太陽熱発電です。幅18 フィートもの巨大な曲面鏡を用いて、鏡の中央に設置された集光パイプに太陽光を集束します。パイプ内にはオイルが流れ、長く伸びたトラフの列を縦走しています。曲面鏡は日中、東から西へと角度をゆっくり変えて太陽の動きを追跡します。パイプ内を流れるオイルの温度は400 ºC にも達します。太陽光によって加熱されたパイプ内のオイルは蒸気発生器へと送られ、そこで水を蒸発させて蒸気タービンを回転させます。これは従来の発電プラントと同じメカニズムです。
Photo: (c)neva multiview、photvoltaik.eu
Solar Millennium AG: Andasol Power Plants のページ
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