◆ウィーン、今年誕生した『寅さん公園』 “寅次郎心の旅路“を記念!
Tora-San Park in Floridsdorf
= 映画のロケ地を訪ねて! =
【ウィーン共同】より
映画「男はつらいよ」のロケが行われたウィーンで9月末、ドナウ川のほとりに「寅さん公園」がお目見えした。作品公開20周年を記念し、寅さんの故郷、東京都葛飾区と姉妹都市提携を結ぶウィーンのフロリズドルフ区が整備。
同区は約3千平方メートルの緑地を寅さん公園と名付け、28日の命名式には寅さんのレリーフ付き案内板を設置。公園内には日本庭園も整備された。
区内では、映画ポスターや葛飾区の風景の写真も展示。
ロケは、1980年代半ばに親日家で知られたウィーン市長(故人)が飛行機内で「男はつらいよ」を偶然目にして熱心なファンとなり誘致。シリーズ初の本格的海外ロケが実現し、「男はつらいよ・寅次郎心の旅路」(89年公開)が完成した。
87年に葛飾区とフロリズドルフ区が姉妹都市となったのも、この市長の仲介だ。ドナウ川のほとりの同区はウィーン北東部に位置し、葛飾区も東京都内で同じく北東部に位置。荒川や江戸川が流れるなど地理的に似ていることが縁だった。
フロリズドルフ区のレーナー区長は「映画はウィーンについて多くのことを紹介してくれた。公開から20年がたち、日本との友好の印を示したかった」と話している。
★映画のあらすじ(Wikipediaより)
みちのくのローカル線の電車に揺られていた寅次郎は、突然の急ブレーキに座席から投げ出された。心身衰弱のサラリーマン坂口(柄本明)が自殺しようと線路に横たわっていたのだ。すんでの所で一命を取り留めたサラリーマンを前にした寅次郎は、持ち前の義侠心で優しく諭す。そのせいで、坂口は寅次郎を心底慕ってしまう。
坂口の望みは音楽の都オーストリアはウィーンに行くという事で、寅次郎に付いて来て欲しいという。寅次郎はウィーンを湯布院と聞き違え、二つ返事で了解してしまう。
一方故郷柴又では、坂口から連絡を受けた旅行代理店の人間が寅次郎のパスポートを作ろうとやって来ていた。とらやの皆は、行き先がウィーンだと知り仰天。そうこうしているうちに、寅次郎が帰郷。一同はウィーン行きを断るよう説得し、寅次郎も納得した。翌日、嬉々として寅次郎を迎えに来た坂口が、寅が一緒に行かないと知るや発作を起こす。寅次郎は、仕方なく成田までついて行くことにするが、とうとうそのままウィーンまで行ってしまう。
ウィーンを訪れた事で精気を取り戻した坂口だったが、寅次郎は退屈極まりない時間を過ごす。しかし、街でツアーガイドの久美子(竹下景子)と偶然知り合った事で、突如として寅次郎は復活する。
坂口は舞踏会で知り合った現地女性とほのかな恋を楽しみ、寅次郎は久美子と日本の話に花を咲かせる。ドナウ川のほとりに佇む二人を見ていると、まるで江戸川のほとりに佇んでいるような錯覚に陥るほどで、寅次郎は故郷を想い「大利根月夜」を口ずさむ。久美子は寅次郎を故郷の塊みたいな人と話すなど、捨て去ったはずの郷愁が募って行くのであった。寅次郎は一緒に日本へ帰ることを勧め、久美子の知り合いのマダム(淡路恵子)も賛成し、2人は共に帰国する事に。
いよいよ、渡航手続きをしようという時、久美子の恋人が引き止めるためにやって来た。そして、2人は抱き合いキスをする。その瞬間、寅次郎は失恋し、久美子の恋人に対して、久美子を幸せにするよう約束させ、帰国の途についたのであった。
Photo: (c)vien.gv.at、1200.vienna.at