◆南イタリア、世界遺産・とんがり屋根の『アルベロベッロのトゥルッリ』
トゥルッリとは白い漆喰塗りの壁に円錐形のとんがり屋根が特徴的な、この地方のみでみられる一風変わった建物。 モルタルなど接合剤を使わない先史時代から伝わる建築方法で造られた建物が現在も生活に使用されている。
アルベロベッロの旧市街にはトゥルッリの家々が密集し、坂道が迷路のように続いており、おとぎの国のような雰囲気に満ちている。
(情報提供:イタリア政府観光局)
(以下“Trulliland”より抜粋)
アルベロベッロは、トゥルッリの谷のハートにあり、15世紀アックアヴィーヴァ伯爵によって建設された。農園とたくさんのトゥルッリによって形成された絵のような風景(アルベロベッロだけで約1500件のさまざまなタイプのトゥルッリが存在する):お伽話の世界を思わせる独特な建物は、建築技法においても興味深い存在である。プーリアのイメージとアルベロベッロのトゥルッロはつねに重なり、プーリア州の代表的存在のひとつとなっていった。アルベロベッロ、トゥルッリの街、石灰岩成層に富んだ大地、そこから建物の原料は採掘されるが、アルベロベッロの中心のイメージばかりではない、もちろん近隣区域にもおよんでいる。
バーリ市やブリンディシ市、ターラント市郊外の各地域でもトゥルッリを見ることはできるが、円錐状の完全なフォームが見受けられるのは、モニュメントとして正式に認められたアルべロベッロである:1930年国の重要文化財、さらに1996年にユネスコ世界遺産に登録された。
ギリシャの“トロス”の時代から、トゥルッロの平面図は円形か正方形で石をから積みして建てられていた。“キアンカレッレ”で形成された円錐フォームのクーポラは、石灰石を水平摩擦の原理と同じく、同心円にから積みで重ね、頂上をかなめ石(セッラリャ)また構造によってはピナクルでとめている。
アルベロベッロ地域のトゥルッロの普及は、17世紀といわれる。アラゴン朝のジャンジローラモ2世アックアヴィーヴァ伯爵が、“プーリアの片目”とよばれコンヴェルサーノ領主として支配し、王の認可を得ずにナポリ王国より独立した領地の創立を目指していた。その目的として1635年アルベロベッロに農地開拓のために小作人たち集団の移住と住居建設を認可し、トゥルッリの居住地(現存している)を建設させている。王国の調査から逃れるために、石灰ではないが、から積みで素早く破壊できる工法で建てられたと考えられる。
1779年にはセルヴァと呼ばれたこの地域は、領主支配から解放され王直属の町となる:このようにトゥルッリのみ建てるという規制は失効された。 昔、一本の樫の木があった“シルヴァ・アルボリス・ベッリ”(戦いの木の森)この地域を覆っていたことから由来し、村をアルベロベッロと名付けた。プレビシート広場にトゥルッロ以外の最初の建造物をみることができる:そのカーサ・ダモーレは、タイルを用いたモルタル建造でバルコニーまであり、 領主の住居の目の前に建てられた。
Photo: (c)Wikimedia
Ferrovie del Sud Est(プーリア州内を走る私鉄・バス)
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