◆スロー・フード、イタリア伝統料理を学ぶ『イタルクック(Ital.Cook)』
現在、各国におけるイタリア料理は、新たなルネッサンス期を迎えています。その証拠にイタリア料理の存在は、インターナショナルクイズィーヌにおける一つ の重要なモデルとして認識されています。全ての食の革新が起きている中心地において、イタリア料理は今まさに最大の成長期を向かえています。また、イタリ ア国内でも食品業界に従事する人々の間で、優れた食文化という遺産を自覚することが増えています。
我々の学校にてここ数年、数々の外国人調理師たちがイタリア料理を学び、体験した後にわたし達の国の食文化を世界に伝える大使として成長していきました。
イ タルクックはシェフ、シェフを目指す調理師、食品業界のプロの方、シェフを目指している方、イタリヤ料理に興味のある方々等、イタリア郷土料理文化を系統 的に深く学ぶことを求めている人々に対し、学びたい方のそれぞれのニーズに合ったコースを用意しています。イタリアの郷土料理は、長い時間をかけて形成さ れた何世紀にも渡る伝統と経験の結晶であり、南部と北部の気候の違いやイタリア全土の気候の相違に見られる様な、各地域の自然環境や形態学と密接な関係を 持った特産品を含む豊富で多彩な製品のレパートリーを象徴しています。数あるコースの一つのマスターコースは、環境要因を初めとする、食の伝統、特にその 文化背景や製品特性についての講義に焦点を当てています。講義に使用される素材は、その日の課題である州から取り寄せられ、それぞれの料理は、その土地の 食文化の伝統をよく熟知し忠実に守る講師達の指導の下に準備されます。伝統に忠実な姿勢は、基本料理に手を加えて新たな料理を生み出す作業の出発点です。
私たちの多くは土と戯れて、又季節によって色や匂いを変えた耕地の中で幼少時代を過ごしました。これは疑問の余地の無いことです。しかし若い人の殆どが、そして特に私たちの子供たちがはっきりとそう考えるかどうか私たちには定かではありません。
スーパーマーケットの棚から家の冷蔵庫へ、そしてお皿へと通過する食べ物を見ていると、食べ物がどこから生まれるのかを忘れてしまっている人もいるでしょう。
日常の食べ物は往々にして、土とのつながりを全て失くしてしまったような製造業によりとても変形した生産物となっています。実際製造業は土壌から生まれ る生産物を変えており、今ではもうその変形は根本的で当たり前のこととなっていますので本来の姿が忘れられたようにさえ思われます。
おそらく皆が食べ物の由来を見直す時が来たのではないでしょうか。 アメリカやイタリアで小学校の先生方が児童を指導して学校の傍に菜園を作らせ、地面 に種をまき、それがどのように芽を出し最後にどんな香りがするのか、どんな味がするのかを教えていることは良いことです。
このことについて私たちは数ヶ月前の春の時期に一緒に考えました。それは、私たちのマスタークラスの生徒と共に、化学製品とは無縁の自然に生えた草を求め山のふもとにある若葉の芽吹いた野原に立ち戻った時のことです。
野草に戻るということ、つまり土に返るということはかつて皆が普通にサラダやスープ、リゾットやオムレツを作る時に用いた野草を見分ける方法を学ぶことです。
それから私たちは‘近代化’し、工業製品のブイヨンで料理に味付けをすることを学びました。大変な進化でしょう?
私たちの学校では感覚を磨く教育や試飲、試食の技術に、又基本となる食材の新鮮さや加工する際に伝統的なシステムを使った製品にこだわっています。
最初にしなければならないことはまず注意深く観察し、それから深くその匂いを嗅ぎ、最後にゆっくりと口に入れることですが、これが毎日の鍛錬となるので す。しかし結局このことが大変役に立ち、五感が目覚め、又批判的に物事が考えられるようになり、そして食べると言う行為がもう機械的ではなくなるのです。
こういうことから、毎日の食べ物について、それが大変シンプルなものであっても私たちは土との総合的な関係を深く考えています。そして毎日の食べ物によって私たちの中で喜びや幸せの感覚が育っていくということがお分かりになると思います。
コースの詳細は http://www.italcook.it/ へ
情報提供:ITALCOOK
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